Eコマースの未来展望

 2019.08.30  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

Eコマースといえば、昨今最も勢いのある市場として注目されています。今や小売店等においてECコマース事業を展開していない企業はありませんし、BtoB(対企業ビジネス)においてもEコマース事業を主力としているケースが増えています。

なぜEコマース市場はここまで注目されているのでしょうか?現状と未来展望から、Eコマースの可能性について解説します。

Eコマース市場の現状

まずは、経済産業省商務情報政策局が発表している調査報告書から、Eコマース市場の現状について整理していきます。日本国内のEコマース市場はBtoB、BtoC(対消費者ビジネス)ともに堅調に成長しており、それぞれの数値は以下のようになっています。

BtoB Eコマース市場

 

2017年

2018年

伸び率

総計

318兆1,610億円

(EC化率29.4%)

344兆2,300億円

(E化率30.4%)

8.1%

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BtoC Eコマース市場

 

2017年

2018年

伸び率

物販系分野

8兆6,008億円

(EC化率5.79%)

9兆2,992億円

(E化率6.22%)

8.12%

サービス系分野

5兆9,568億円

6兆6,471億円

11.59%

デジタル系分野

1兆9,478億円

2兆382億円

4.64%

総計

16兆5,054億円

17兆9,845億円

8.96%

ご覧の通り、BtoB・BtoCともにEコマース市場は年々成長傾向にあり、市場を徐々に拡大しています。ちなみに“EC化率”というのは、全商取引(実店舗とECを含む)の中で、Eコマースが占める割合を指しています。2018年度のEC化率はBtoBで30.2%、BtoCで6.22%となっています。要するに全商取引におけるEC化率が、Eコマース市場の規模ということになります。

BtoBの方が、EC化率が高い理由としては、EDI(Electronic Data Interchange)とEコマースの区別が無く、BtoBのEC化率にはEDIの数値が含まれているためです。EDIとはBtoBにおいて注文、請求、決済などの取引業務をデジタルで行い、スムーズに取引をするためのシステムです。

参考資料:平成 30 年度我が国におけるデータ駆動型社会に係る基盤整備(電子商取引に関する市場調査)

Eコマース市場の売上ランキング

Eコマースの現状を知る上で欠かせないのが、業界において売上上位を占めるECサイトについて把握することです。Eコマース事業を展開する場合、売上上位のECサイトをベンチマークとすることが多く、自社ECサイトのKPI(Key Performance Indicator)や目標を出さめるために、業界トップのECサイトの売上を参考にする必要があるからです。

Eコマース市場の売上ランキング(百万円)

1位 :アマゾンジャパン :1,336,000

2位 : ヨドバシカメラ :111,000

3位 : ZOZO : 98,432

4位: Rakuten Direct : 74,000

5位 : 千趣会: 65,600

6位 : ディノス・セシール : 59,657

7位 :イオン : 59,000

8位 : 上新電機: 57,000

9位 : ジャパネットたかた : 53,800

10位: アスクル : 50,714

11位: ユニクロ :48,753

12位: イトーヨーカドーキタムラ : 48,734

13位: デル : 47,000

14位: キタムラ : 42,681

15位: ジュピターショップチャンネル: 40,774

16位: ビックカメラ : 39,000

17位: マウスコンピューター : 36,665

18位: MOA : 32,328

19位: QVCジャパン: 31,410

20位: ニトリ : 30,500

21位: ベルーナ : 29,399

22位: セブン・ミールサービス :26,548

23位: ニッセン : 25,000

23位: オルビス : 25,000

23位: ピュアクリエイト : 25,000

26位: オイシックス・ラ・大地 : 24,799

27位: 丸井 : 22,887

28位: セブンネットショッピング : 22,048

29位: TSUTAYA : 22,000

29位: ドスパラ: 22,000

引用:【2018年版】EC売上高ランキングまとめ――1位Amazon、2位ヨドバシ、3位スタートトゥデイ(現ZOZO)

世界的にECサイトの先駆けとなったアマゾンがやはりトップであり、それにオムニチャネル戦略に成功したヨドバシカメラ、ファッションコーディネートアプリが1,000万ダウンロードを超えているZOZOTOWNが続いています。こうした売上ランキングからもEコマース市場の現状を読み取ることができます。

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Eコマース市場の未来展望

ここからはEコマース市場の現状ではなく、将来的な展望について解説していきます。Eコマース市場では毎年新しいトレンドが登場しており、それらのトレンドを把握することでECサイト運営にとってもとても重要です。注目すべきトレンドとは一体何でしょうか?

①    ECサイト×AIが加速する

Eコマース市場の成長と同様に、今ホットなトレンドといえばAI(Artificial Intelligence:人工知能)です。特にディープラーニング(深層学習)を搭載したAIは認知精度・認識精度・処理精度が非常に高く、ECサイトでの活用も期待されています。すでにレコメンド機能における高度なAI活用は進んでおり、ECサイト全体の統計データからおすすめ商品を表示するのはなく、ユーザー個々の行動パターンを解析して趣味趣向を把握し、より高精度なレコメンドを実現しています。

②    ID決済が主流に

ID決済とは、ECサイトを利用する際のアカウント情報とクレジットカードを紐づけることで、IDとパスワードだけで決済が行える仕組みです。最近ではAmazon Payと楽天ペイが2大ID決済として注目されており、ECサイトに限らずさまざまな場所でID決済が可能になっています。

ID決済はユーザーの手間を省くと同時に、セキュリティ面で安心して買い物ができるということで昨今のネットユーザーのニーズをとらえており、今後急速に普及することが予測されています。

③    デジタルとリアルの逆転

これまで、実店舗を運営していた企業がEコマース市場に参入するというのはよくある話でしたが、今後はEコマース事業を主力としていた企業がリアル市場に参入するというケースが増えていく見通しです。すでにアマゾンにおける実店舗展開が始まっており、話題も集めています。この潮流が大きくなれば、実店舗を運営している企業にとって強力な脅威になっていくかもしれません。

これら3つのトレンドは、Eコマース市場の未来展望において重要な立ち位置にあります。ただし、トレンドとは常に変化するものなので、新しいトレンドが急激に誕生したり、それが急速に衰退したりを繰り返します。Eコマース事業を立ち上げる場合は、これらのトレンドに常にアンテナを張り、ビジネスチャンスを逃さず脅威となる事象を把握することが非常に大切です。ぜひ、今後のEコマース事業立ち上げの参考にしていただきたいと思います。

 

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