掛け売りとは?メリット・デメリットや売掛けとの違いを解説

 2024.11.11  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

BtoB取引(企業間取引)において基本の決済手段である「掛け売り・掛売」。
BtoC取引(企業個人)におけるショッピングではまず使われない言葉の為、馴染みのない方も多いかと思います。
ここでは、「掛け売り・掛売」の解説や、メリット・デメリットについて紹介します。

掛け売りとは

掛け売り(掛売り・掛売)とは、商品やサービスの提供に際しその時点の都度払いで代金を受け取るのではなく、支払い期日を設けて後日代金を回収する決済形態のことです。先に商品・サービスを提供するということは、取引先を「後日代金を必ず支払ってくれる」と信用することで取引が成り立ちます。その為、こうした決済形態を「与信取引」ともいいます。

後払い・ツケ払いとの違い

「後払い」や「ツケ払い」といった言い方をする場合もあり、構造はほぼ同じです。ただしこれらは、どちらかというと個人間の口約束での意味合いが強く、BtoB取引(企業間取引)における「掛け売り(掛け売り契約・掛け払い)」はしっかりと契約を交わした後の利用となることが大きな違いとなります。

売り掛け・売掛との違い

「売り掛け」とは、企業や個人が商品やサービスを提供した後、まだ代金を受け取っていない状態を指します。そして、「売掛金」とは提供した商品・サービスの代金を後に受け取る権利のことであり、売上が発生してから支払いを受け取るまでの未回収の金額を意味します。

対して「掛け売り」は、商品やサービスを提供する際に、代金を即座に受け取らず、一定の支払い期日に後払いとして行う販売方法を指します。掛け売りは取引の形態そのもので、取引の際に売り手が代金を請求せず、信用を与えることを伴います。

例えば、商品を100万円で掛け売りした場合、商品を引き渡した時点で代金は未回収です。この未回収分が「売り掛金」として計上されます。つまり、掛け売り(販売方法)によって売り掛け(未回収金額)が発生するのです。

違いをまとめるとこのようになります。

 掛け売り ・後払いの販売方法自体を指します。

 売り掛け ・提供した商品、サービスの代金を後に受け取る権利
      ・代金を後払いで受け取ることによって発生した未回収金額を指します。

掛け売りのメリット

BtoC取引(企業対個人取引)、路面店での購入やネットショッピングでは商品・サービスの提供を受ける都度、代金を支払うのが一般的です。BtoB取引(企業間取引)でも同様に掛け売りを使わず「取引ごとに代金を支払ってもらえばシンプルではないか」と思われるかもしれません。しかし、月に同じ取引先と何度も取引が発生するBtoB取引(企業間取引)では都度払いが非効率になるケースが多くあります。

例えば取引ごとに代金支払いをするとなると、請求書をベースにした振り込みによる支払いが一般的であるため、その都度請求書を発行し、印紙を付け、封入封かんして取引先に送付するといった手間が生じます。取引数が少ない会社であれば問題ない場合もありますが、月間で100も200も取引があるとかなり大きな手間として膨れ上がるでしょう。取引先からしても同様で、請求書と支払いのやり取り対応だけでも非常に業務効率が悪化してしまいます。
掛け売りのメリットの一つは、売り手側と買い手側の双方にとって請求と支払いの手間を省ける点です。一定期間の取引を一括の支払いでまとめることで効率化できるのです。

他にも掛け売り販売には、上記請求業務の簡素化も含め、以下のような企業間決済特有の問題を解決するメリットがあります。

請求業務の簡素化

都度支払いの場合、取引のたびに請求書の発行や決済が必要になり、手間とコストがかかります。掛け売りによって、月単位や期日ごとの一括請求が可能になるため、請求書のやり取りや決済の頻度を減らし、事務作業が効率化されます。

キャッシュフローの調整が可能

買い手企業は商品やサービスを受け取ってから一定期間後に支払いを行うため、すぐに現金を用意する必要がなく、キャッシュフローを安定させ資金繰りを改善することができます。

取引量の増加

売り手は買い手に支払いを猶予することで、より多くの取引を促進できます。掛け売りは買い手の負担を軽減し購買意欲を高めるため、売り手の売上増加につながります。

信用の構築

買い手は約束通りに支払いを行うことで、売り手との信頼関係を強化し将来的な取引をスムーズに進めることができます。

柔軟な取引対応

掛け売りにより、買い手は必要な商品やサービスをタイムリーに調達でき、予期せぬ需要や急な仕入れニーズにも柔軟に対応できます。

 

これらメリットにより、掛け売りは企業間の取引を円滑にし、請求や決済の負担を軽減しつつ、信頼関係を深める手助けをします。


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掛け売りの流れ

掛け売りでの取引をする際にはまず取引先の信用を評価します。一言でいえば「支払い能力があるかどうかを判断する」ということです。この信用が無ければ代金未回収のリスクがあるため、掛け売りをする前提がなくなってしまいます。

①取引契約前の与信審査

売り手が買い手の信用力を評価し、掛け売りを行うかどうか判断します(与信審査)

取引契約

買い手と売り手が商品やサービスの提供について、代金の支払いを後日にする契約を結びます。この際、15日締めの翌々5日払いや、末締めの翌月末払いといった締め日と支払日の設定も行います。

商品・サービスの提供

売り手が買い手に商品やサービスを提供し、取引が成立します。

売り掛金の計上

売り手は提供した代金分を「売り掛金」として会計帳簿に記録します。

請求書の発行

売り手が買い手に対して請求書を発行し、支払い期日を通知します。

支払い

買い手が支払い期日までに代金を支払い、売り手が代金を受け取り売り掛金が消滅します。

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掛け売りのデメリット

ここまでメリットばかりを述べてきましたが、掛け売りには売り手、買い手双方にとってデメリットがあるのも事実です。
以下に代表的なデメリットを挙げます。

回収リスク

与信審査を行っても、買い手が経営不振や倒産などにより支払いが困難になるリスクは常にあります。これにより、売り掛金が回収不能になり、売り手が損失を被る可能性があります。未回収の代金が発生すると、企業には大きな損失が及びます。例えば利益率10%の商品で1,000万円の未回収が起こった場合、それを補填するために1億円の売上が必要です。帳簿上の売上が好調でも、未回収が原因で資金繰りが悪化し、最悪の場合は倒産に至ることもあります。

キャッシュフローの圧迫

売り手側は代金回収までの間に現金が入ってこないため、短期的に資金繰りが苦しくなることがあります。また、大口取引で掛け売りが増えると、売り手のキャッシュフロー管理が複雑になってゆきます。

与信管理の負担

売り手側と買い手側の信用で成り立っているものなので、期日までに100%支払われるという保証はどこにもありません。だからこそ厳しい与信基準を設けて取引先の信用を評価することが大切になります。その為、売り手は与信審査や管理を定期的に行う必要があり、信用リスクを適切に管理するために人的資源や時間を割くことになります。これが小規模な企業にとっては大きな負担となることがあります。代金未回収の影響は自社の信用問題にも及びます。未回収が多く発生すると仕入先などから「与信管理が徹底されていない会社」という風評を得てしまい自社の信用度を落としかねず、取引条件が悪くなったり、取引を打ち切られるなどの事態にも発展しかねません。

事務作業の増加

売り掛金の管理や未回収金の督促など、取引後の事務作業が増加します。特に未回収金のフォローアップには多くの時間と労力を要します。

不透明な収益計上

売り掛けによって発生する未回収金は収益として計上されますが、現金化されるまで不確実です。これは企業の財務状況を複雑化させる要因になります。


これらのデメリットは、掛け売りによる取引が便利である一方で、リスク管理や資金繰りの管理に注意を要することを示しています。企業は、適切な与信管理や回収プロセスを整えることでこれらの課題に対処する必要があります。

また、売り手側にとってはリスクの方が大きく感じるかもしれません。しかしながら、売り手の都合だけで先払いを強制することは日本の商取引では難しく、取引自体が困難になってしまいかねません。

掛け売りのデメリットを解消する方法とは?

前述のように掛け売りには代金未回収リスクと与信管理の手間というデメリットがあります。では、このデメリットを解消するために企業はどういった行動を取ればいいのか?その答えの一つが代行サービスを利用することです。

掛け売りにおける与信管理プロセスは次の通りです。

(1)取引発生に際し、取引先の情報を収集してさまざまな角度から分析

(2)取引先の信用を判断した上で取引の可否を決める

(3)与信調査を行って取引先の信用を評価したら与信限度を決める

(4)取引先と支払い方法・支払い期限についての確認を取り、契約を取り交わす

(5)支払い期限に応じて請求書を発行・送付する

(6)決済条件に従って売掛金が確実に支払われているかを確認する

(7)代金支払いが遅れている場合は催促をする

(8)各企業との取引情報を整理して、与信限度に近づいている取引、与信限度をオーバーしいている取引、与信限度の期限が切れている取引を抽出して適宜是正を加える

もしも、以上の与信管理プロセスを丸ごと代行会社に一任できるとしたら、どれくらいの業務効率化につながるでしょうか?実際にこの与信管理と売り掛けの回収をワンストップで提供する代行サービスが存在します。その一つがヤマトクレジットファイナンスが提供する「クロネコ掛け払い」です。

「クロネコ掛け払い」は取引が発生した時点で取引先の情報を送ると、まず取引先審査を行い、最短5分で審査結果を連絡します。契約締結後の請求書発行や送付、入金確認や代金の催促などはすべてヤマトクレジットファイナンスが行います。従って、サービス利用企業は与信管理から代金回収のプロセスにおいて一切の手間を省くことができるのです。

さらに注目すべきポイントが代金100%保証(※)です。「クロネコ掛け払い」が売上の代金支払いを100%保証するため、万が一代金未回収が発生した際はヤマトクレジットファイナンスが顧客の代わりに支払ってくれるのです。

つまり「クロネコ掛け払い」のような売り掛け代行サービスを利用することで、企業は売り掛けにかかる手間とリスクをすべて解消し、安心して各社との取引が行えるということです。

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売り掛け代行サービスの料金体系は?

「クロネコ掛け払い」を参考に挙げると、月額最大1万円の基本料金と売上に応じた手数料が発生します。初期費用・請求書発送に係る郵便料金は不要です。手数料に関しては取引額の~3.5%です。100万円の取引なら最大で3.5万円の手数料が発生します。

詳しい料金体系や条件に関しては「ご利用料金について(https://www.yamato-b2b-pay.com/settlement/fee-transaction)」をご覧ください。

また、ほかの売り掛け代行サービスもあり、比較の上で注目されるのはまず料金でしょう。ただし、各社のサービス適用範囲は違いますし、どのサービスを利用するかによって取引先に与える印象も違います。たとえば「クロネコ掛け払い」はヤマトグループによる請求書を取引先企業に送付するので買い手側の不信感も低減できます。商品発送を伴うようなビジネスの場合にはなおさらです。商品を届けてくれる物流と支払いが一体になっているサービスは買い手側の負担軽減や安心感につながるでしょう。

近年では様々な代行サービスが登場していますが、既にBtoB取引における掛け売りやECサイトにおける決済も代行する時代です。皆さんが現在掛け売りに抱えている課題を解消するためにも、「クロネコ掛け払い」のご利用をぜひご検討ください。

※弊社の与信を通過した買い手企業に限ります。与信を通過されなかった買い手企業への適用はできません。

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