受発注業務はビジネスにおける根幹業務といっても過言ではありません。商品・サービスに必要な原材料などを仕入れて製造、また顧客から注文を受け、商品・サービスを出荷することで初めて自社の売上とすることができます。しかし、受発注業務は煩雑になりやすく、属人化しやすいなどの課題を抱えています。
これらの課題を解決するには、様々な施策を講じることが重要です。本記事では、受発注業務の基本概要や業務を行う上で発生する課題やその対応策をいくつかのポイントに絞り、解説していきます。
受発注業務とは?
受発注業務とは、商取引における商品・サービスの注文・受領のプロセスを指します。このプロセスは商品・サービスの提供側と受取側の間で行われ、ビジネスの基盤として不可欠な行為になります。受発注業務は、主に自社が他社より注文を受ける「受注」と自社が他社に対して注文する「発注」に分けられます。以下で詳しく「受注」と「発注」の業務の概要に関して、ご説明します。
■受注業務
受注業務は、書面やwebサイト・メールなどで顧客からの注文を受け取り、注文情報を企業内で処理する一連の行為であり、収益源となる商品・サービスの売上を生み出す重要な役割を担っています。
この業務には、受注内容の確認、見積もりの作成送付、商品の生産や準備、納品スケジュールの調整、出荷手続き、請求書の発行、回収、各書類や在庫管理などが含まれます。
受注業務を行うにあたり重要なのは、まず顧客からの注文情報を正確に受取り、迅速に処理していくことです。この段階でミスが生じてしまうと、後のすべての工程でミスが連鎖的に発生するため、受注の入口の段階で専用システムを導入するなど工夫をして、正確かつ効率的に進めていくことが求められます。
■発注業務
発注業務は、自社の商品・サービスに必要な原材料や製品を他社から購入するための一連の行為であり、主に「仕入れ」の部分に大きくかかわるため、企業のコスト面に大きく影響を与えます。
この業務には、見積もり取得、発注書の作成・確認、商品・サービスの受領・検品、保管、支払い、領収書の受領などが含まれます。
発注業務においては、先述した通り、購買コストの最適化や適切な在庫管理が非常に重要になるため、自社のみならず社会情勢なども踏まえて、適切な数量を注文していくことが求められます。
受発注業務の一般的フロー
前章では、受発注業務の一般的な概要に関して説明しましたが、受発注業務には基本的なフローが存在し、企業はそのフローに従い業務を行っています。本章では、受発注業務の一般的なフローを「受注業務」と「発注業務」に分けて表を用いてご説明していきます。
受注業務
基本フロー |
業務内容 |
1.見積書の作成 |
・注文者から見積書依頼の受領 ・注文内容の確認 ・見積書の作成・提出 |
2.受注処理 |
・注文書の内容を基に受注処理 ・基幹システムなどに受注データの登録 |
3.商品・サービスの発送 |
・出荷指示の実施 ・商品、サービス/納品書の送付 |
4.請求書・領収書の作成 |
・注文者への請求書を送付 ・入金管理 ・領収書の送付 ・基幹システムへの登録 |
発注業務
基本フロー |
業務内容 |
1.見積書の依頼 |
・発注するべき商品の選定 ・購買コストの計算 ・仕入先へ見積書の作成依頼 |
2. 発注処理 |
・見積書の確認 ・仕入先へ注文書の送付 |
3. 商品・サービスの受領 |
・発注した商品、サービスの検品 ・在庫管理 ・受領書・検収書の作成・送付 |
4. 料金の支払い |
・請求書の内容確認 ・期日内に支払い実施 ・領収書の受領 |
受発注業務における課題
先述した通り、受発注業務はビジネスにおいて必要不可欠な商行為です。しかし人的に行っている業務があれば、当然のようにミスが発生します。担当者は多くの業務をこなさなければならず、業務負担の増加や担当者間の連携不足を起因とした様々なトラブルも考えられます。突発的な体調不良などのカバー手段も常に用意しておかなくてはなりません。企業はそれら間違い、トラブルが発生した場合、適切な措置を講じなければなりません。
本稿では受発注業務において、企業が抱える課題やその対応策に関して、いくつか解説させていただきます。
課題① 業務が煩雑化しやすい
発注・受注のやり取りが並行して進むと、業務プロセスが煩雑になりがちです。前章で述べた通り、受注・発注業務ともに多くのタスクがあり、フローは複雑になります。
この複雑な業務を手作業かつ複数人で行うため、ヒューマンエラーが発生しやすく、業務ミスや対応の遅延から顧客満足度の低下にもつながり、取引そのものに支障が生じる恐れがあります。そのため、各担当者の業務を洗い出し、マニュアルを作成することによる標準化や受発注専用システムを活用し、業務効率化を図ることが重要になります。
課題② 業務属人化による負担増加
業務属人化は、特定の担当者に業務が集中し、その担当者が不在の場合に業務の停滞を引き起こしてしまうリスクです。「特定の担当者しか業務の処理ができない」という状況に置かれている現場では、担当者の休暇や外出などで不在の間、該当の業務が滞ってしまいます。必要に迫られ、別従業員がイレギュラーな対応をせざるを得ないので、従業員に負荷がかかります。業務属人化により従業員の負担が増加し、従業員満足度や効率性の低下を招いているケースも少なくありません。そのため、特定の担当者だけに業務が偏らないように、スキルの平準化を図る必要があります。具体的には、マニュアルの作成や定期的に担当替えを実施し、複数の従業員が同じ業務に精通する体制を作ります。それによって業務属人化を防ぐことができ、業務負担を軽減することができます。
課題③ 関連部署との連携不足
部署間の連携不足は情報共有がスムーズに行われないことから生じる問題です。この問題があると、業務の効率性が低下し、業務ミスが発生しやすくなります。受発注業務では、受注業務を起点に在庫管理、商品出荷や請求管理など、その業務は多岐に渡り、関連部署との連携が必須になります。しかし、先述した業務の煩雑・複雑性により、情報の断片化が生じ、異なる部署間での情報が分散しやすくなります。それに伴い、取引のトラブルや在庫ロスなどの問題が発生し、取引先との信頼関係の損失のみならず、自社のコスト問題にも大きく影響しかねません。そのため対応策としては、定期的な部署間でのミーティングの開催やコミュニケーションツールの活用が挙げられます。お互いの業務内容の把握や役割分担を明確にすることにより、業務の進行がスムーズになり、取引のトラブル減少やコスト削減にも期待ができます。
受発注システムと決済代行サービスにより業務効率化を
前章で解説した通り、受発注業務は、実施すべき業務の数・量がとても多く、内容も煩雑です。この業務を1日に何度も繰り返すことに加え、取引者数が多かったり、繁忙期に入ると更に件数が増え、業務負担を圧迫している実情も伺えます。そのため、業務効率化より、生産性向上やコスト削減に取り組むことが求められてきます。方法としては、業務の見える化としてのフローチャート作成や受発注業務のアウトソーシング(外部委託)などがありますが、今回は受発注システムの導入をご紹介させていただきます。
受発注システムとは、商品・サービスの受発注をデジタル化し、業務を自動化することができるシステムです。受注から出荷指示まで自動処理できるため、受発注に関するあらゆる情報を可視化し、進捗状況も都度確認できます。そのため、システムで一元管理することが可能になり、業務の人的ミスの減少や生産性向上が期待できます。受発注に特化したシステムには、データの自動入力機能、作業の抜け漏れを防止するアラート機能など、担当者の業務負担を軽減する便利な機能が豊富に搭載されています。
販売管理システムや在庫管理・倉庫管理システムなどの基幹システムと連携できるサービスであれば、更に業務効率性が高まります。スマートフォンやタブレットからも操作できるシステムも多いため、若い年齢層にも広がりやすく、どこにいても受発注や業務進捗の確認ができます。
また、受発注システムによる業務効率化だけではなく、決済代行サービスの導入により、「受発注業務」と「決済業務」を効率化していくことをも推奨します。
「決済代行サービス」は、取引先との請求業務に係る与信管理・請求書発行・代金回収までを一括で代行し、未回収案件が発生した際には、督促や売掛金100%保証をする、業務効率化のみならずリスク管理も徹底することができるサービスです。受発注システムと併用し、決済代行サービスを利用することで、ビジネスにおいて必要不可欠な業務でありながら、一番手間のかかる受発注業務と決済業務をほぼ自動化で行うことができます。生産性向上は当然のことながら、業務時間の大幅な削減につなげることができるため、メイン業務への注力や新規事業にも着手することができます。
弊社が提供している「クロネコ掛け払い」では、時間・労力を費やす与信管理や請求書発行、入金管理、更には督促・売掛金100%保証の機能が標準で付いております。最短審査5分/与信通過率98%の実績もあるため、営業の新規開拓にも活かすことができます。
「クロネコ掛け払い」では、受発注システムと連携しているサービスがいくつかあり、下記URLで紹介するサービスと連携を組むことにより、受発注業務と決済業務の自動化・効率化が可能になります。
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