CRMを使った顧客分析とは?

 2021.12.02  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

「顧客分析」と聞くと、一般的にマーケティング活動における分析とイメージしがちです。確かにマーケティング活動では顧客分析によって市場の需要や顧客のニーズを把握したり、現状把握によって適切な施策を展開することが大切です。しかし、CRMを使用した顧客分析は少し違った角度でデータを見つめます。

そこで今回は、CRMを使用した顧客分析とは何か?についてお話します。

CRMとマーケティング、それぞれの顧客分析の目的

まずマーケティングの顧客分析の目的から説明すると、マーケティング活動には「適切なタイミングで適切な情報を届け、次のアクションを促す」という基本目的があります。それを考慮するに、マーケティングの顧客分析の目的とは「新規顧客獲得に向けて市場の動向やターゲットの行動を予測する」ことでしょう。

では、CRMにおける顧客分析の目的とは何か?それは「既存顧客の購買行動や特徴を分析し、継続的な顧客維持活動や新規顧客創出に向けた知見を見出すこと」だと言えます。

これらの違いは簡単に言えば「外部の顧客を想定しているか」「内部の顧客を想定しているか」になります。

ただし、CRMとマーケティングそれぞれの顧客分析がハッキリと線引きされているかといえば、そうではありません。CRMの顧客分析によって得た情報をマーケティングに活かすこともあれば、マーケティングの顧客分析によって得た情報をLTV(顧客生涯価値)の向上に活かすこともあります。

大切なのはどの情報を、どこに活用するかを的確に見極めることでしょう。

CRMの顧客分析手法

ここでCRMの顧客分析として代表的な手法を3つご紹介します。

・RFM分析

RFM分析は各顧客を「Recency(リーセンシー)」「Frequency(フリクエンシー)」「Monetary(マネタリー)」という3つの軸で評価し、顧客ごとのステージや特徴把握するための分析手法です。

  • ≪リーセンシー:直近購買日≫
    最後に商品を購入した日はいつか?という要素です。商品やサービスにもよりますが、購入した日が近いほどニーズが高い傾向にあるためフォローアップなどの施策の効果が高まります。
  • ≪フリクエンシー:購入頻度≫
    購入頻度が高い顧客はいわゆるリピーターなので、スコアによって評価に大きな影響をもたらします。ただし購入頻度が低い顧客でもリーセンシーやマネタリーとの兼ね合いで優良顧客になる可能性もあります。
  • ≪マネタリー:購入金額≫
    購入金額の多さは有効なスコア基準の一つです。フリクエンシーが低い場合は積極的にマーケティングを実施して、リピーター化することでさらに高い収益が見込めます。
    各要素ごとに顧客を5~10段階で評価していきます。たとえばマネタリーが高い場合は優良顧客である可能性が高いですが、フリククエンシーとの兼ね合いでは自社商品やサービスに対してロイヤリティ(愛着心)が低い場合があります。こうして各顧客を評価してそのステージや特徴を把握することで、どこに優先的にリソースを割くべきか明確になります。

・セグメンテーション分析

「セグメント」とは共通のニーズや価値観など各個人が多数の類似性を持つ一つのグループを指します。セグメンテーション分析によって顧客ごとのニーズや価値観など、様々な情報から類似性を見つけてグルーピングすることで、セグメントごとに実施すべき施策が見えてくるでしょう。

たとえばデータマネジメントプラットフォーム(DMP)である「AudienceOne®」を活用した場合は、まずは自社顧客情報となる1stパーティデータを分析して優良顧客に類似する特徴などをあぶり出します。そこに外部から取得した3rdパーティデータを統合して「優良顧客になる可能性があるターゲット」を抽出しリソースを集中させます。手当たり次第にマーケティングを展開するよりも圧倒的な効率で優良顧客を創出できるでしょう。

セグメンテーション分析で最も大切なことは「何をキーにして類似性を見つけるか」です。優良顧客が持つ類似性を見つけても、それがビジネスに繋がっている類似性かどうかは一概に判断できません。

たとえば優良顧客に「大企業」という類似性があっても「大企業だから優良顧客に成り得る」とは言えないでしょう。そこには必ずと言っていいほど、何か別の重要な類似性があります。そのキーとなる類似性を的確に判断することが大切なので、マーケターの腕が試される分析手法です。

・デシル分析

「デシル」とはラテン語で「10等分」という意味です。これを語源としたデシル分析は自社顧客は様々な角度から「10等分のグルーピング」を行い、各グループがどのように収益に貢献しているかを把握します。たとえば「売上金額」をもとにデシル分析を行うと、次のようになります。

購入金額合計 購入金額比率 累積購入金額比率 1人あたりの購入金額平均

 

購入金額合計

購入金額比率

累積購入金額比率

1人あたりの
購入金額平均

デシル1

200万円

40.0%

40.0%

20万円

デシル2

100万円

20.0%

60.0%

10万円

デシル3

80万円

16.0%

76.0%

8万円

デシル4

50万円

10.0%

86.0%

5万円

デシル5

30万円

6.0%

92.0%

3万円

デシル6

15万円

3.0%

95.0%

1万5,000円

デシル7

10万円

2.0%

97.0%

1万円

デシル8

8万円

1.6%

98.6%

8,000円

デシル9

5万円

1.0%

99.6%

5,000円

デシル10

2万円

0.4%

100.0%

2,000円

合計

500万円

100%

-

5万円

このデシル分析からは上位20の顧客が売上全体の60%を占め、上位40では売上全体の86%を占めることが分かります。こうした分析結果からリソースを積極的に注ぐべきグループを見つけ出し、有効的なLTV向上施策を打ち出していきます。顧客の従業員規模や売上高、経営年数など様々な角度からデシル分析を行ってみて、リソースを注力すべき顧客の類似性を見つけ出しましょう。

CRMだけでは不十分?DMPとの連携で分析精度を高める時代へ

前述した顧客分析やその他の分析手法は、CRMシステムがあれば簡単に行うことができます。多くのCRMシステムはそこに蓄積した情報を活かすための分析機能が備わっており、最近ではデータ分析初心者でも分析が行えてしまうBI(ビジネスインテリジェンス)ツールなども豊富です。

しかし、果たしてそれだけでLTV向上施策やマーケティング施策にとって有用な知見を見出すことは可能なのでしょうか?答えは「No」です。企業が持つデータが非常に多様化した今、従来のCRMシステムが持つ分析機能だけでは足りなくなっています。

そこでCRMシステムとの連携をおすすめしたいのがDMPです。DMPは1stパーティデータや3rdパーティデータ、あるいは近年注目される2ndパーティデータ(他社が保有する1stパーティデータ)を活用するためのプラットフォームであり、様々な角度から分析したデータを豊富な連携先によって最大限に活かすことができます。

現状の顧客分析に対して不満を持っていたり、十分ではないと考えている場合はCRMシステムとDMPの連携をぜひご検討ください。

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