データアナリストとは?
2020.09.29 ヤマトクレジットファイナンス株式会社
2020.09.29 ヤマトクレジットファイナンス株式会社
近年ではデータ解析に関する職業が注目を集めており、データサイエンティストは米国で今最も人気の職業です。また、この他にはデータアナリストという職業もあり、これも人気の高い職業になっています。では、データアナリストとデータサイエンティストの違いとは何か?気になる疑問を解消します。
データアナリストは、データ解析活動のうちデータの処理や現状分析などに特化した職業です。近年注目のビッグデータ解析ですが、そのプロセスを大まかに分けると「収集⇒統合⇒加工⇒変換⇒解析⇒活用」となります。データアナリストはデータの解析と活用の間に立ち、解析結果を通じてユーザーの行動や規則性・関連性、将来的なニーズなどを発見するのに貢献します。
最も重要なのが、データを解析した後の活用フェーズであり、仮説を立てて問題解決のための手段を提案したり、提供中のサービス改善などに役立てたりするのがデータアナリストのフィールドと言えます。データアナリストには以下のような2つのタイプがあります。
コンサルティング会社やマーケティング部門において、企業の課題に対してデータ解析を行い、仮説を立て、ソリューション(解決策)を提案することが主な仕事です。
ビッグデータを扱っている企業において、データマイニングなどの解析手法を用いてユーザー行動や規則性・関連性などを探し出すのが主な仕事です。
一方、データサイエンティストもデータアナリスト同様に、ビッグデータ解析を通じてビジネスに有用な情報を引き出すという役割があります。相違点は何かというと、データサイエンティストには統計学や機械学習などの専門知識、本質的課題抽出や改善提案などデータサイエンスと呼ばれる専門知識・技術を必要とします。また、データサイエンティストも同様に2つのタイプに分けられます。
機械学習アルゴリズムを習得しており、データアナリストが加工・成形したデータをもとにしがら応用的な機械学習アルゴリズムを組んで事業システムに実装します。
データを取り出し、掛け合わせや切り口を変えるなどしてアドホック分析(単発的に行われる分析)を行い、ソリューションを提案するのが主な仕事です。統計学や情報処理に長けており、コンサルティング要素が強くなります。
データアナリストが必要とする能力およびスキルは、統計学、分析力、論理的思考(ロジカルシンキング)、仮説力、SQL・Rなどの開発言語です。コンサル型では課題定義からソリューション提案に欠かせない論理的思考が強く求められます。また、ビジネスを深く理解し、課題保持者のニーズを把握する能力も求められます。エンジニア型ではデータマイニングや統計解析など技術的に求められる要素が多いでしょう。
データサイエンティストが必要とする能力およびスキルは、課題特定力、論理的思考力、統計学、AI(人工知能)関連知識、Python・SQL・Rなどの開発言語、MySQLなどのデータベース言語、Hadoop・Sparkなどの分析プラットフォームに関するものです。また、データサイエンティストはデータ解析プロジェクトを統括するケースも多いため、高いマネジメント能力も求められます。
米国におけるデータアナリスト・データサイエンティストの平均年収は1,100万円程度となっており、非常に高需要な職業となっています。日本ではまだ米国ほどの水準には達していないものの、求人サービス等におけるデータアナリスト・データサイエンティストの求人数は年々増大しています。
データアナリスト・データサイエンティストの需要が拡大している理由は、ビッグデータ解析の有無が、今後のビジネスの勝敗を分けるからです。経済産業省は2025年にデジタル技術に関するさまざまな問題が集中し、DX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するかが最重要課題になると提起しています。
企業側もそれを十分に理解しており、自社が蓄積した膨大なビッグデータや第三者機関から取得できるデータセットを活用し、新しい製品・サービス・ビジネスモデルの開発や、マーケティング施策最適化のためにデータアナリスト・データサイエンティストを求めています。
このため、まだビッグデータ解析に取り組んでいない企業では、データ活用を促進する意味でもデータアナリスト・データサイエンティストの起用を検討しましょう。