今話題のテキストマイニングとは？

2021.03.16 ヤマトクレジットファイナンス株式会社

テキストや音声などの非構造化データを解析することは、今まで気づくことのなかったビジネス的価値を発見する最大のチャンスです。今ではデジタル技術に直接関係がない企業でも、非構造化データを活用しようという動きが増えています。本記事でご紹介するのは、数ある解析手法の中でも特に注目されている「テキストマイニング」です。データ解析入門として、ぜひ参考にしてください。

テキストマイニングとは？

企業が扱うデータには構造化データと非構造化データの2種類があります。構造化データとは会計システム等に記録されている取引明細のような、Excel形式でまとめることのできるデータのことです。企業が管理するデータのほとんどは構造化データでしょう。一方、非構造化データとはテキストや音声、画像や動画などExcel形式でまとめられないようなデータを指します。

非構造化データのうち、企業が最も蓄積しているデータの種類といえばテキスト・音声です。日々取り交わされるビジネスメール、チャットツール経由のメッセージ、録音された音声データなど、デジタル技術企業でなくても案外多くの非構造化データを所持しています。

テキストマイニングとは、単語や文書などの文字列データを対象としたデータ解析であり、大量のテキストデータから規則性を導き出し、そこから有益な情報を引き出します。コールセンターに蓄積されている音声データに関してもテキストマイニングが可能です。その際は、音声データを処理するために自然言語処理を用いて単語を抽出し、音声データをテキストデータに変換する必要があります。

テキストマイニングの活用方法

テキストマイニングは現在、多種多様なビジネスシーンに活用されています。ここで具体的な活用方法をご紹介します

チャットボットなどの精度向上

チャットボットとは、ユーザーが送信したメッセージに応じて最適な情報を返してくれるツールのことです。商品やサービスに対する不明点を解消するために、コールセンターへ直接問い合わせるかWebサイト上のFAQ（よくある質問と回答）をチェックしなければいけません。中には、自分が望む回答が見つからずにそれを不満に感じるユーザーも多いです。一方チャットボットなら、わざわざ問い合わせたりFAQを探したりする必要はなく、チャットボットに知りたい内容をメッセージで送信するだけで、適切な回答が返ってきます。

もちろん、チャットボットはコンピューターなので適切な回答が返せない時もあります。そうした質問にテキストマイニングを実施してデータ解析を行い、その結果からチャットボットを調整して精度向上を目指します。

顧客アンケートの結果分析

商品やサービスの品質向上、イベント評価などさまざまな理由で企業はアンケート調査を実施します。従来は、手書きのアンケート結果を担当者が手作業で集計し、Excelなどにまとめてレポートを作成していました。テキストマイニングを使用すると、定量データだけでなく定性データを自動的に解析し、顧客が持つニーズを把握したり、集計や解析にかかる膨大な時間を短縮できたりします。

SNSなどのソーシャルメディア分析

SNSは今や生活の一部と言ってよいほど世間に浸透しているサービスです。そして、SNS上では日々膨大な量の投稿がされており、その中には顧客の潜在ニーズを知れるデータや、自社商品やサービスに対する評価などを知れるデータが隠されています。

SNS上でどんなキーワードが頻出しているのか？時系列はどのように変化しているか？商品やサービスに対する不満や改善点はあるか？などなど、SNSデータにテキストマイニングを実施することであらゆる情報を抽出できます。

身近な顧客の声に耳を傾ける

これからテキストマイニングへ取り組む企業に、最初のデータ解析としておすすめするのが顧客の声に耳を傾けることです。自社商品やサービスを購入・利用する顧客が何を感じているか？何を不満に思っているか？などの情報は、社内の人間が意外と気づかないものです。大切なのは顧客の声に耳を傾けることですが、主観が多くなりなかなか顧客理解につながらないのが現状です。

そこで、企業として日々蓄積しているテキストデータ（メール、チャットツール、アンケート調査など）と音声データに対してテキストマニングを実施して、顧客が日々何を感じているかを客観的に把握します。

テキストマイニングなどのデータ解析を実施する際に、ビジネスに有用な情報を抽出してなんとか革新的な商品やサービスを生み出そうとする傾向があります。しかし、足元を固める意味でも顧客の声に耳を傾けるようなテキストマイニングをおすすめします。この機会にぜひ取り組んでみてください。