企業間取引の与信管理を徹底解説!審査基準とリスク対策

 2025.09.22  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

企業間取引において、売掛金の未回収リスクを回避するために不可欠なのが「与信管理」です。新規取引先の開拓は事業拡大のチャンスですが、同時に貸し倒れのリスクも伴います。本記事では、企業間取引における与信審査のポイントと、安全な取引を実現するための具体的な方法を解説します。

与信管理とは?企業間取引に不可欠な理由

与信管理とは、取引先の経営状況や支払い能力を評価し、取引の可否や取引金額の上限、支払い条件などを決定する一連のプロセスのことです。

与信管理の定義と目的

与信管理は、自社の売上債権(売掛金)が確実に回収できるかを確認するために行われます。その主な目的は、貸し倒れリスクの回避です。取引先の倒産や支払い遅延により売掛金が回収不能になることを防ぎ、自社の経営を守るために欠かせない業務です。

適切な与信管理がもたらすメリット

  • リスク軽減: 未回収リスクを最小限に抑え、経営の安定化に貢献します。
  • キャッシュフロー改善: 回収サイトを適切に管理することで、資金繰りを円滑にします。
  • 経営判断の迅速化: 信頼できる情報に基づき、新規取引開始や取引拡大の判断を迅速に行えます。

与信審査で見るべき3つの評価ポイント

取引先の信用力を判断するためには、主に以下の3つの情報を総合的に評価します。

定量情報(数値データ)

決算書や財務諸表から得られる客観的な数値データです。

  • 収益性: 売上高、利益率、経常利益などの推移から、事業の安定性や成長性を評価します。
  • 安全性: 自己資本比率、流動比率、負債比率などを確認し、企業の財務的な健全性を判断します。
  • 成長性: 新規事業への投資状況や、売上・利益の伸び率から将来性を評価します。

定性情報(非数値データ)

数値には表れない、企業の経営実態に関する情報です。

  • 経営者の資質: 経営者の経歴や経営方針、業界での評判などを確認します。
  • 事業内容: 属する業界の将来性、競合優位性、主力商品の市場動向などを評価します。
  • 取引先の状況: 主要な取引先や仕入先、販売先などの情報から、業界での位置づけを把握します。

 商流情報(取引の状況) 

実際の取引における支払い状況や、商慣習に関する情報です。

  • 支払いサイト: 支払い期日が適切か、業界の標準と比べて遅くないかを確認します。
  • 支払い実績: 過去の取引における支払い遅延の有無や、支払い方法の変更履歴などを確認します。
  • 評判: 業界内での評判や、他社との取引状況から信用力を判断します。

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与信審査の実践と外部情報の活用

与信審査を行う際は、自社だけでなく、外部の情報を有効活用することが重要です。

 与信調査の方法 

  • 自社内での調査: 登記簿謄本や会社概要、ホームページなどから基本情報を取得します。
  • 直接ヒアリング: 取引先に直接決算書などを提出してもらい、財務状況を確認します。
  • 外部調査機関の活用: 帝国データバンクや東京商工リサーチなどの調査会社に依頼し、詳細な信用調査を行います。

外部情報活用における注意点

調査会社のデータは非常に有用ですが、情報が古かったり、中小企業では情報が少ない場合があります。複数の情報を組み合わせて多角的に判断することが大切です。また、与信調査にはコストがかかるため、与信金額に応じて適切な調査レベルを検討することが推奨されます。

 

与信管理のDX化:最新のソリューション

近年のテクノロジーの進化により、与信管理も効率化・高度化が進んでいます。

与信管理システムの導入

従来の紙ベースやExcelでの管理から、与信管理システムへ移行する企業が増えています。システムを利用することで、与信調査情報の自動収集、審査基準の統一、取引先の支払い状況の一元管理が可能となり、業務効率が飛躍的に向上します。

 BtoB決済サービスの活用 

請求書払い代行サービスや後払いサービスなどのBtoB決済サービスは、与信管理の手間を大幅に削減できる有効な手段です。サービス事業者が取引先の与信審査や請求業務を代行し、万一の貸し倒れリスクも保証してくれるため、安心して新規取引を開始できます。

 

まとめ

与信管理は、企業が成長するための重要なリスク管理です。定量情報、定性情報、商流情報の3つの視点から取引先を総合的に評価し、自社の取引基準を明確にすることが不可欠です。
自社での調査に加え、外部の調査機関やBtoB決済サービスを賢く活用することで、与信管理の精度を高め、事業のさらなる拡大とキャッシュフローの安定化を目指しましょう。New call-to-action

 


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