機械学習とディープ ラーニングの違い

 2020.12.08  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

AIに関するニュースが連日のように流れ、IT業界にかかわっていない方でもAIがもたらすインパクトをひしひしと感じているのではないでしょうか?最近ではマウス操作のみでAIを開発するサービスが登場するほど、ビジネスに深く根差している技術だと思います。本記事でご紹介するのは、そんなAIにおける「機械学習」と「ディープラーニング」の違いです。どちらもAIと並んでよく耳にするワードですが、一体どんな違いがあるのか?と気になっている方も多いでしょう。本記事でそれを分かりやすくお伝えしますので、ぜひ参考にしてください。

機械学習とディープラーニング

機械学習もディープラーニングもAI研究における、コンピューターの学習方法の1つです。簡単に表すと「AI>機械学習>ディープラーニング」のようにAIという大きな括りの中に機械学習が存在し、さらにその中の特定の学習方法をディープラーニングと呼びます。

そもそもAIとは、特定の情報処理を自動的に行うたにプログラムされたコンピューターのことです。しかし、コンピューターは何も情報が与えられなければ何かを学ぶことはできません。また、学習方法によってどのようなAIに仕上がるかが大きく変わります。

機械学習とは?

機械学習とは「機械的に学習する」ということです。コンピューターが機械的に学習する?と思われるかもしれませんが、要するに反復して何かを学習することを意味します。この学習方法では、開発者があらかじめ動作のプログラムを行うのではなく、データをコンピューター自身が解析し、法則性やルールを見つけ出すという特徴があります。繰り返し学習(トレーニング)することで、特定の情報処理をコンピューターが自律的に行えるようになるのです。

たとえば画像認識を例に挙げると、大量のリンゴの画像をコンピューターに読み込み、その際に1枚1枚の画像に「これは赤いリンゴ」「これは青いリンゴ」というタグを付与します。「タグ=画像の特徴を示す情報」です。この際に「色に着目した画像を区別しなさい」という指示をコンピューターに与えておくと、まだ解析されていない画像を取り込んだ際にリンゴの色に着目するようになります。そして次第に、それが赤いリンゴなのか青いリンゴなにかを区別するようになります。

機械学習を使用した代表的なAIが「迷惑メールフィルタリング」です。迷惑メール情報を大量に学習させることにより、自動認識を行って迷惑メールだと思われるものを区別します。この他、カメラの顔認識技術にも採用されているのが機械学習です。

ディープラーニングとは?

一方、機械学習の一種であるディープラーニングは前述した技術をさらに発展させたものです。ちなみにディープラーニング(Deep Learning)とは日本語で「深層学習」といいます。機械学習と大きく異なる点は、情報分析の際に使われる枠組みが異なることです。ディープラーニングでは人間の神経系を真似て作られた「ニュートラルネットワーク」を使い、コンピューターによる情報分析と学習とさらに強力なものに昇華しています。

先ほどの赤いリンゴと青いリンゴの例で再度説明すると、機械学習では「リンゴの色に着目しない」と指示を出した上で、「これは赤いリンゴです」「これは青いリンゴです」と画像にタグを付与する必要がありました。一方、ディープラーニングでは画像を区別するための「目の付けどころ」をAIが自分自身で学習し、その性能を向上していきます。

ディープラーニングが大きく注目されるきっかけとなったのが、2012年6月頃にインターネット上で話題になって「Googleの猫」です。この事例は、GoogleのAI研究チームが開発したAIが、猫の画像を読み込んで「これは猫だ」と認識できるようになったものであり、当時は多くのAI開発者に衝撃を与えました。それから4年、Googleが開発したアルファGOと呼ばれるAIが、10年以上はかかると言われていた「AIが囲碁の世界トップ棋士に勝利する」という偉業を達成しています。このことからも、ディープラーニングが如何にインパクトの大きい技術であるか、そしてこれからのビジネスにおいて重要なのかが分かります。

ちなみにディープラーニングが得意としているのが、言語化や具体化が難しい特徴を学習することです。たとえばECサイトのレコメンド(おすすめ)機能では、利用者ごとの趣味趣向を整理するにあたって明確な表現が存在しないため、機械学習ではなくディープラーニングを活用する方が高度なレコメンドが行えます。

今後も機械学習とディープラーニングに注目!

技術的には機械学習の方がシンプルなものですが、ディープラーニングに劣っているわけではありません。大切なのは使い分けであり、適切なシーンで適切なAIを使用することで、ビジネス効率の最大化を実現します。今後も拡大する機械学習とディープラーニングの動向に注目していきましょう。

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