オーディエンス分析とは?

 2020.12.01  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

昨今のアドテク業界にて欠かせないものが「オーディエンスデータ」です。

データ・マネジメント・プラットフォーム(DMP)の基本機能はオーディエンスデータの集約、名寄せ、分析の3つです。これを駆使することでより高度な広告配信を展開したり、CRMデータと掛け合わせて新たなマーケティングを実施することも可能です。今回は、このオーディエンスデータの基本と分析についてご紹介します。

オーディエンスデータとは?

Webサイトへの訪問回数やユーザーのIDなどを一時的に保存する仕組みを「Cookie(クッキー)」といいます。この仕組みを活用してユーザーの属性情報や商品の購入履歴、位置情報など個人そのものは特定しない範囲のデータが「オーディエンスデータ」です。

このオーディエンスデータを活用することで従来のマーケティングと何が変わるのか?

特定の時間や場所(テレビの前など)にいる大多数のオーディエンス(聴衆)に対して広告を配信するマスマーケティング。一定のコストで相当数のオーディエンスに広告を届けられる利点があり、従来のマーケティングといえばこのマスマーケティングが主流でした。

その一方で、インターネットの普及により徐々にデジタルマーケティングの重要性が増していきます。デジタルマーケティングとはいわばインターネット上で展開するマーケティングのことであり、従来のマスマーケティングと比べて特定のユーザーに広告を配信できるという利点があります。この時活用されるのがオーディエンスデータです。

たとえばあるユーザーが自動車メーカーのホームページや中古車情報サイトへ頻繁にアクセスしていれば、自動車への関心が高い可能性があります。自動車に関する広告を配信したい企業が、そうしたユーザーにのみ広告を届けることができれば広告効果の最大化を図ることができるでしょう。

DMPによってオーディエンスデータを活用し広告配信を展開すれば、そうした狙ったユーザーにのみ広告を配信するという環境が実現されます。ちなみにDMPとは社内外で保有するデータを統合管理するための基盤であり、大容量データでも保存および分析が可能なシステムを指します。

オーディエンスデータの活用方法

オーディエンスデータを活用するにはまず、データの収集が必要です。収集方法は2通りあります。1つは自社で運用するWebサイトへの訪問データをもとに収集する方法です。独自に収集することで低コストで済みますが、自社Webサイトを訪問したユーザー分の情報しか集まらないという難点があります。

もう1つの方法がDMPまたはデマンド・サイド・プラットフォーム(DSP)が提供するオーディエンスデータを利用することです。DSPとは広告主が広告効果を最大化するためのシステムであり、広告媒体側のシステムであるサプライ・サイド・プラットフォーム(SSP)と連携してコンマ1秒以下のスピードで適切な広告配信を行うものです。

DMPやDSPの中にはオーディエンスデータの収集を行っている製品があり、これを利用することで簡単にオーディエンスデータを手に入れらえます。自社Webサイトで収集するよりもコストはかかりますが、収集できるデータ量に圧倒的差があります。

ちなみにこうした外部から取得したオーディエンスデータを「3rd(サード)パーティデータ」と呼び、自社独自に収集したオーディエンスデータを「1st(ファースト)パーティデータ」と呼びます。

こうした方法で収集したオーディエンスデータは一般的に「セグメンテーション」と呼ばれる分析手法によって活用可能な状態にします。

セグメンテーションとは様々な切り口で特定のユーザーを分類して、それに応じたマーケティング施策を考えるというものです。

たとえば自動車メーカーのホームページや中古車情報サイトを頻繁に閲覧しているユーザー群があるとして、各ユーザーにはそれぞれ異なる特徴があるはずです。それは性別や年齢、頻繁に閲覧している自動車の車種やメーカー、あるいは閲覧時間など様々な切り口からその特徴を分類することができます。

このように、同じユーザー群でもある特徴をキーとしてユーザーを分類するのがセグメンテーションです。この分析手法を実施することで広告配信側は「どのセグメントへ積極的にリソースを集中すべきか?」が分かります。

極端な話、国産の中古車ばかり閲覧しているユーザーに海外メーカーかつ新車の広告を出稿しても良い効果は期待できないでしょう。そうした広告の効果最大化を狙いたいならば、少なくとも海外メーカーの自動車を閲覧しているユーザーにピントを合わせなければなりません。

デジタル広告というものはユーザーのターゲティングが可能な反面、適切なターゲティングができていないとコストを無駄にすることになります。なのでオーディエンスデータとセグメンテーションを活用して、適切なターゲティングを実施することが肝要なのです。

もちろんオーディエンスデータは単なるインターネット上の行動履歴を指すものではないので、位置情報やブラウザ情報など様々な種類のオーディエンスデータを駆使して、セグメンテーションによるマーケティングを実施することができます。

他にもある?オーディエンスデータの活用方法

セグメンテーションによって分類したユーザーに対して広告を配信する、という施策以外にもオーディエンスデータの活用方法はあります。近年特に注目されているのが1stパーティデータとの掛け合わせによるデジタルマーケティングです。

1stパーティデータは自社Webサイトで収集したオーディエンスデータだけでなく、CRMシステムなどに蓄積されている顧客データなども該当します。これらのデータはからどういったデジタルマーケティングを展開できるか?

シンプルな施策としては、1stパーティデータを分析することで自社にとっての「優良顧客の定義」を決めて、その定義に該当するユーザーや企業に対し積極的に広告を配信するというものです。既存の優良顧客と類似した特徴持つユーザーや企業が、必ず新規顧客になるか?と言われればそうではないでしょう。しかし可能性は高いはずです。

以上のようにオーディエンスデータは単体として活用しても、別のデータと掛け合わせることでも様々な施策を考えることができます。マスマーケティングが当たり前だった時代ではこうしたオーディエンスデータを収集するだけでも一苦労でしたが、今ではインターネット普及やデータ収集技術の発展によって、難しいものではありません。

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