スタートアップとベンチャーの違いって何?

 2021.11.18  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

皆さんはスタートアップとベンチャーの違いを明確に説明できるでしょうか?難しいですよね。それもそのはず、両者に明確な線引きは無く、その時々によってどういった企業を指しているかが変化するからです。ただし、ガイドとなる定義はあります。それを知ることでビジネス上の会話がスムーズに進んだり、メディアが語っている情報をより理解しやすくなったりするので、この機会にスタートアップとベンチャーの違いについて知っていただきたいと思います。

スタートアップとベンチャーの違い

まず、スタートアップとベンチャーに共通して言える特徴は「設立してまだ間もない」「経営者が若く(比較的)、リーダーシップが強い」「独自の技術や理念で新しい商品やサービスを打ち出している」などです。大学生や社会人が持つスタートアップとベンチャーに対するイメージを調査してみれば、おおむね同じような回答が得られることでしょう。

こうしたイメージが定着したのは、今では有名企業と呼ばれる企業らがスタートアップ・ベンチャー時代だったころに、積極的にメディアに登場し、そのカリスマ性をアピールしていたからでしょう。つまりこれらの特徴はスタートアップとベンチャーが持つ独自のものというより、世間全般が定着させたイメージです。

では、スタートアップとベンチャーにはどのような違いがあるのでしょうか?代表的な定義は、「スタートアップは設立から最終的なEXIT(イグジット)を視野に入れている」ことです。

EXITとは成長したスタートアップ企業が上場前・上場後に自社株式を売却して、多額の創業者利益や投資利益を獲得することです。これに対しベンチャー企業は、前述した共通点は持っているもののEXITは考えておらず、継続して事業成長を遂げることが目的となります。

もちろん、ベンチャー企業と呼ばれる企業の中にも自社株式を売却するケースはありますし、逆にスタートアップ企業の中には継続して事業成長を狙うケースもあります。その都度呼び名が変わるわけではありませんし、故にスタートアップとベンチャーの定義は曖昧なのです。

また、スタートアップという言葉は米シリコンバレーで誕生したのに対し、ベンチャーという言葉は日本ベンチャー学会の特別顧問である清成忠男氏が作った「ベンチャービジネス(企業として新規事業へ取り組むこと)」から派生した和製英語です。海外でベンチャーと言うと投資会社の「ベンチャーキャピタル」を指しますので注意してください。

中小企業との違いは?

日本では新興企業を指す言葉がもう1つあります。それが「中小企業」です。一般的な認識として、中小企業は「大企業でも中堅企業でもない、それ以下の中規模・小規模な事業者」であり、中小企業庁ではその定義を以下のように明確に定めています。

<中小企業の定義>

業種分類

中小企業基本法の定義

製造業その他

資本金の額又は出資の総額が3億円以下の会社又は

常時使用する従業員の数が300人以下の会社及び個人

卸売業

資本金の額又は出資の総額が1億円以下の会社又は

常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

小売業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は

常時使用する従業員の数が50人以下の会社及び個人

サービス業

資本金の額又は出資の総額が5千万円以下の会社又は

常時使用する従業員の数が100人以下の会社及び個人

つまりは、スタートアップもベンチャーも中小企業という大きな括りの中に存在し、そのビジネスモデルなどによって線引きがされているというわけです。また、中小企業の定義として「積極的な資金調達活動を行わず、事業活動の必要に応じて銀行等から融資を受ける」「経営者が高齢であり長く経営している」「数世代にわたって経営が続けられている」などがあります。

まとめ

いかがでしょうか?ここまでスタートアップとベンチャー、それと中小企業の違いについて解説しました。ただし、複数の定義を紹介しましたので、混乱されている方もいらっしゃるでしょう。そこで最後に、スタートアップとベンチャー、中小企業の一般的な違いをまとめて終わりにしたいと思います。

<スタートアップの定義>

  • 設立してまだ間もない
  • 経営者が若く(比較的)、リーダーシップが強い
  • 独自の技術や理念で新しい商品やサービスを打ち出している
  • 設立から一貫してEXITを狙っている
  • ビジネスモデル上、即戦力人材だけで組織が構成されているケースが多い
  • 米シリコンバレーでは元同僚や元ビジネスパートナーで設立されることが多い


<ベンチャーの定義>

  • 設立してまだ間もない
  • 経営者が若く(比較的)、リーダーシップが強い
  • 独自の技術や理念で新しい商品やサービスを打ち出している
  • 基本的にEXITは狙わずに継続的な事業成長を戦略にしている

<中小企業の定義>

  • 中小企業庁が定めた規定に沿っている事業者
    (その意味ではスタートアップとベンチャーも含まれる)
  • 経営者が高齢か、2代目以上であることが多い
  • 積極的な資金調達は行わない
  • 事業活動の必要に応じて銀行等から融資を受ける
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