ECサイトの利益率向上のために企業が考えるべきこととは

 2019.12.23  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

事業戦略の一環としてECサイトを運営する企業は多いでしょう。EC市場は年々拡大傾向にあり、新しいプレイヤーが次々と参入しています。市場競争が激化する中で、自社ECサイトが勝ち抜くためには利益率向上について考えなければいけません。

本稿では、ECサイトが利益率向上を実現するために考えるべきことについてご紹介します。

まずはLTV(Life Time Value:ライフタイムバリュー)を増加させる

LTVとは“顧客生涯価値”のことで、1人の顧客が自社との取引時間を通じて企業にもたらす利益や価値を意味します。顧客価値の向上を考える際に大切なポイントは、新規顧客との関係性だけでなく、既存顧客との関係性を重視することがポイントです。

一般的な説として、新規顧客の獲得コストは既存顧客を維持するコストの5倍かかると言われています。新しい顧客を獲得することで売上は伸びますが、その分多くのコストがかかるというわけです。

もちろん、新規顧客の獲得も事業戦略として大切ですが、まずは足元を固める意味でも既存顧客のLTVを向上することが重要になります。LTV向上によって既存顧客の維持コストを抑えつつ、利益率を最大にしていくことができます。

CRM(Customer Relationship Management:カスタマーリレーションシップマネジメント)を実施しよう

既存顧客のLTVを向上するためにはCRMを実施する必要があります。CRMは、顧客を適切に識別した上でターゲットとする顧客の満足度と、顧客の利益ならびにECサイト収益を併せてその両方を高めることです。ECサイト経営において、適切な投資先の選択と集中をする仕組みを意味します。

CRMでは顧客の属性情報やECサイトの利用情報などのデータを用いてセグメント化し、顧客のニーズや購買行動のパターンを分析します。これにより、個々の顧客に適した商品やサービスを効率的に提供し、満足度を向上することで購入額を最大化させ、長期的な収益増加が狙えるようになります。

ECサイトでキャンペーンを実施する

次に考えるべき利益率向上の施策は、ECサイトにおけるキャンペーンです。キャンペーンは短期的な売上だけでなく、実は長期的な利益確保まで見据えて実施することができます。主なメリットを下記にご紹介します。

●知名度が上がる

ECサイトでは数多くのキャンペーンを実施し、開催時にはバナー広告やテレビCMなどで広告を展開します。既存顧客にとっては再訪問するきかっけになり、ECサイトの存在を知らなかった人にとってはブランドやECサイトを認知するきっかけになるでしょう。

その時点では、直接購入にはつながらなくても一度ECサイトの存在が認知されれば、購入までのハードルは一気に低くなります。ユーザーが何かのきっかけでECサイトを訪問した際は、商品を購入してくれる可能性が高まります。

さらに、既存顧客にとってもキャンペーンやイベントをよく行うECサイトからは、常に広告やキャンペーンに関する情報が入るため、期待感を継続させることが可能です。

●長期的な利益が見込める

キャンペーンは購入額アップなど短期的な売上にも効果的ですが、工夫次第では長期的な利益を確保することも可能です。たとえばECサイトと連動してSNSアカウントを運用すると、ユーザーがコンテンツを楽しみECサイトのイメージ向上になります。

レビュー募集のキャンペーンでECサイトの信用度を上げることも可能であり、ユーザーレビューを増やすと信用できる企業や商品であることをアピールできます。厳しいレビューがあってもスタッフから誠実に対応することで、反対にECサイト運営側の評価を上げることも可能です。

効果的なキャンペーンを実施するには?

ECサイトのキャンペーンには様々な内容があります。目的によって内容が違いますが、キャンペーンを行えば確実に売上があがるというものではありません。キャンペーンを成功させるためには、ターゲティング等が必要です。

①ターゲットを決める

最初に、誰に向けたキャンペーンなのかを明確にしましょう。既存顧客に合わせたキャンペーンと、新規顧客獲得を狙うキャンペーンでは内容が異なります。ターゲットを明確にしてユーザーの興味を引く事柄を調査し、どのようなキャンペーンが効果的化を考えます。反対に、キャンペーンでアピールしたい新製品の特徴からターゲットとなるユーザー層を設定し、キャンペーン内容を決定します。

②日程を決める

キャンペーンの日程はターゲットによって変化します。ターゲットになるユーザー層のアクセスしやすい時間に合わせて、キャンペーンの実施期間や日時、キャンペーン告知の時間帯等を決めます。たとえば20~30代がターゲットの場合、日中仕事をしている時間はアクセスが減るため、平日の夕方から夜にかけてキャンペーンを実施すると効果的です。

③キャンペーン内容を決める

キャンペーン内容もターゲットに合わせて決定します。既存顧客を優良顧客に育てる場合は、メルマガ会員しかセールに参加できないようにするなどの施策を取ったり、若年層の顧客増加を目指すならばSNS連動キャンペーンなど、ターゲットに合わせてより強く訴求する方法を選びましょう。

オムニチャネル戦略や越境EC戦略を検討する

LTV向上やキャンペーン実施の先に検討すべき利益率向上のための施策は、オムニチャネル戦略や越境EC戦略等です。

オムニチャネルとは、ECサイトや実店舗をふくめたすべての顧客接点において、ユーザーが好きな時間に好きなように商品を受け取り、買い物ができるようにすることです。たとえばECサイトで購入した商品を実店舗で受け取ったり、店舗にない商品をオンラインで購入したり、店舗で購入した商品をオンラインで返品依頼したりします。

要するに、商品の購入場所や時間、商品の受け取り場所、商品の返品等が自由にオンラインかオフラインかを問わず自由にできることです。顧客満足度が極限に高まり、リピーターが増えて利益率を拡大できる可能性があります。

これを実現するには、ECサイトと実店舗のすべてのデータベースを一元管理する必要があります。また、SNSアカウントとの連携など、すべてのチャネルと連携することで更に高度なオムニチャネル戦略が可能です。

一方、越境ECとは海外市場を相手にしたECサイト運営を指します。近年では中国人向けの越境ECが盛んであり、日本製の商品は信頼性が高いことで人気です。中国人による爆買いは落ち着きを見せましたが、中国人の日本製品に対する信頼性は今でも高いため、ECサイトの売上を飛躍的に伸ばすことができます。

いかがでしょうか?ECサイトが利益率向上のために考えるべきことはたくさんあります。大切なことは、LTV向上によって足元を固めつつ、適切な施策を取捨選択して自社ECサイトにとって最適な戦略を実施することです。この機会に、自社ECサイトの利益率を向上するための施策について検討してください。

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