DMP(データマネジメントプラットフォーム)とは何なのか?

 2020.09.22  ヤマトクレジットファイナンス株式会社

「DMP(Data Management Platform)」は、マーケティングを支える大切な基盤となっています。しかし「導入が進んでいない」「入れてはいるものの、活用がされていない」といった、デジタルマーケティングでありがちな困ったパターンに陥っているケースもよく耳にします。

この記事ではそうした企業導入の実態をまず紹介し、DMPの基本知識から活用を前提にしたメリット、デメリットまでを解説していきます。
名前だけは知っていた、ぼんやりとしたイメージだけだったという方の理解を進めていただけると幸いです。

現状

まず、実際に企業の中でDMPがどのような状況にあるのかを紹介していきましょう。多く見られるケースを、ピックアップしていきます。

  • DMPの導入を検討しているが、なかなか進まない。
    コンサルタントにも入ってもらっているが、稟議資料を作るところまでいかない。
  • DMPは既に導入している。しかし活用はできていない。
    担当者が変わったというのもあり、そもそものDMPの目的も不明になっている。
  • マーケティングオートメーションやSFAを導入しているが、データがないために十分な活用ができていない。これらのツールを活用するためにDMPが必要ということで、大急ぎで検討をしている。

「未導入」「導入済み」「連携させるツールを先に導入済み」という3つのパターンを紹介しました。多少の違いがあっても、多くの企業がこうしたところに悩んだり、立ち止まっているのではないでしょうか。

うまくいかない理由の一つが、「DMPがよくわからない」ことにあると思います。次章で、DMPの基本についてしっかり理解しましょう。

DMPの基本

DMPはデータの「箱」「入れ物」という表現がされることがあります。これは正しいのですが、十分な表現とは言えません。

DMP≒データの「入れ物」+(「操作」「アウトプット」機能)

というのが、より正確なイメージでしょう。入れ物という表現だけをされてしまうと、「サーバーと何が違うのか」「データベースではないのか」と聞かれた時に答えに困ってしまうでしょう。では、それぞれを具体的に解説していきましょう。

まずDMPの大きな役割として、データが集まる「入れ物」というのがあります。データにはさまざまな種類があります。たとえば「会員情報」「購買情報」です。「資料請求」「問合せ」といったデータも非常に大切です。またオンライン上では、ユーザーの行動を記録した「ログデータ」も重要です。リアル店舗のビジネスをおこなっていれば、「POSデータ」などもあります。

これら複数のデータを一か所に集めることができる入れ物がDMPです。

次に「操作」というのは、エンジニアを介さずにデータを扱ったり、抽出できることを指します。ビジネスの現場では、データを使ってさまざまな施策をマーケティング担当者が考えると思います。ですので、データ担当者やエンジニアを介さず、自らがデータを操作できるというのもDMPの大切な役割になります。データを紐づけたり抽出したりといった際は、SQLのスキルなどが求められることが多いですが、DMPを置くことでこうした特別なスキルが無くてもデータを扱えるようになります。

最後に「アウトプット」ですが、これはデータを実際に活用する機能です。たとえば従来のデータベースだと、データを取り出すだけというイメージかもしれません。しかしDMPの場合には、たとえばメールツールと連携して適切なタイミングに配信をおこなう、という所までを担えます。CMSとの連携でサイト内の画像やページの出し分けも可能になります。このためDMPのアウトプット機能は単独で動くというよりも、「他のツールと連携できること」と捉えても良いでしょう。

種類

DMPには大きく二つの種類があります。「プライベートDMP」と「オープンDMP」です。
単にDMPと呼ぶ場合は、プライベートDMPを指すことが多いようです。

プライベートDMP

「自分たちの資産が入ったDMP」と理解しておくと良いでしょう。
顧客データや商談でのやりとり、実際の購入履歴などです。これは、ほかの場所にはない自分たちだけのデータと理解していただければと思います。
加えて、自サイトのアクセスログなどもこれにあたります。
コーポレートサイトや商品、サービスサイトだけでなく、オウンドメディアで情報を発信している場合は、そこに記録されるユーザー行動も価値ある情報資産になります。

オープンDMP

「ほかの場所から提供されるデータが入ったDMP」と捉えておくと良いでしょう。
たとえば他のメディアサイトや、ポイントカードで取得したデモグラフィック属性、趣味嗜好といった情報は、オープンDMPで提供される一例です。
「パブリックDMP」とも呼ばれます。

利用範囲

DMPは情報が入った箱ですから、実際にそれを利用して活動をおこなわなければ価値を生み出しません。この情報を利用した活動は、おもに次の4つです。

  • 広告配信
  • CRM
  • コンテンツの出し分け
  • 分析

DMPが知名度をいっきに高めたのは、アドテク(アドテクノロジー)の分野からでした。
つまり広告配信です。現在のデジタル広告の多くがユーザーの興味関心、行動履歴などにより最適化されているのは、ほとんどの方が認識されているでしょう。個々のユーザーに対する最適な配信をおこなう基となるデータは、DMPを起点にしているのです。

CRMの具体的な方法としては、まずメール配信が挙げられます。メールもユーザーの興味や関心に合うように配信することで効果が大きく違ってきます。それを膨大なデータで精緻におこなう基盤がDMPです。実際の配信は従来のメール配信ツールも使われますが、DMPを導入している規模になるとマーケティングオートメーション(MA)の利用も多くなります。

また営業に近い形のCRMとして、SFAとDMPの組み合わせも多く見られます。コンシューマー向けのサービスではLINE連携やプッシュ通知も、CRMの一環として捉えておくと良いでしょう。

DMPと連携できるシステム開発やターゲティングツールの導入が必要です。あるいはCMS機能が付いたマーケティングオートメーションツールを使うことで、多様なコンテンツの出し分けが高レベルかつ手軽にできるようになります。コンテンツをさらに広げて解釈すると、接客ツールやチャットボットと連携した活用も増えています。

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