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「月末締め翌15日払い」の意味わかりますか?支払いサイトについて解説

ビジネスの現場では、「月末締め翌15日払い」といった取引条件や支払いサイトについて聞いたことがあるかもしれません。たとえば「月末締め」とは、毎月末日を締め日として、その月の取引内容を集計・確定することを指します。この「締め」を基に、翌月に支払いが行われるのが一般的です。

しかし、こうした条件が具体的に何を意味し、どのように企業のキャッシュフローに影響するのか理解しているでしょうか? 支払いサイトは単なる取引条件にとどまらず、企業の経営効率や信用管理に大きな影響を与えます。本記事では、支払いサイトの基本的な概念、そのメリット・デメリット、そして実務における活用方法までをわかりやすく解説します。

支払いサイトとは?基本的な定義と重要性

「締め日」と「支払い日」の関係

支払いサイトとは、取引の締め日から代金が実際に支払われるまでの期間を指します。「締め日」とは、特定期間内の取引を集計し確定する日を指し、「支払い日」とはその確定された代金が実際に支払われる日を指します。この2つの関係性は、取引の透明性を保ち、売り手と買い手の双方が円滑に業務を進める上で欠かせない重要な要素です。

たとえば、「月末締め翌15日払い」の場合、月末が締め日として設定され、そこで取引をまとめた後、翌月15日が支払い日になります。これにより、売り手は迅速に資金を回収できる一方で、買い手にも一定の準備期間が与えられる形になります。この期間設定は、後述の売り手の資金回収や買い手の資金運用に大きな影響を与えます。

用語「サイト」の語源と意味

「サイト」という言葉はWebサイトの「Site」ではなく、視界や見通しを意味する「Sight」に由来しています。この期間を視覚的に把握しやすくするための表現として使われています。

「月末締め翌15日払い」の具体例

ケーススタディ:中小企業における利用事例

「月末締め翌15日払い」は、中小企業が資金調達を効率化するために広く利用されている支払い条件です。この形式では、取引をまとめて月末に締めた後、翌月15日に支払う仕組みとなっています。たとえば、4月中に行われた取引を4月30日に締め、5月15日が支払い日となります。これにより、売り手は適度な期間内に代金を回収でき、買い手は資金運用の計画を立てやすくなります。特に運転資金が限られている中小企業間の取引では、こうした条件が有効に活用されています。

他の支払い条件との比較

「月末締め翌月末払い」は、「月末締め翌15日払い」と比べて、支払いサイトが30日間と長いため、買い手にとって資金調達の猶予が増える利点があります。一方、売り手にとってはキャッシュフローの停滞が発生しやすいため、買い手の信用力を見極めることが重要になります。このように、支払い条件の決定には企業の状況に応じて適切な条件を選ぶことが求められます。また、契約によっては「(月末締め)翌々月払い」といった支払いサイトが60日を超えるパターンもあります。

 

企業間取引では、それぞれの条件が取引の規模や業界慣習、取引先の信用力などに応じて選ばれることが一般的です。最適な支払い条件を慎重に選択することが、双方のビジネス成功に繋がります。

支払いサイトが企業経営に与える影響

キャッシュフローの視点

支払いサイトは、売り手・買い手の両者のキャッシュフローに直接的かつ多大な影響を与えます。売り手にとっては、サイトが短いことで迅速な資金回収が可能となり、経営の安定を図ることができます。一方で、買い手にとっては、より長いサイトが取引後の運転資金の確保に寄与します。キャッシュフローを効率的に管理することは、企業の存続や成長における重要な鍵となります。

黒字倒産を防ぐためのポイント

黒字倒産とは、帳簿上利益が出ているにもかかわらず、現金の流れが悪化して経営危機に陥る状況を指します。このリスクを防ぐには、取引条件として適切な支払いサイトを設定し、資金不足を未然に回避することが重要です。また、必要に応じてファクタリングなどの代替手段を利用し、キャッシュフローを強化する仕組みを整えることが有効です。

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売り手の視点:支払いサイトは短いほど良い理由

資金の早期回収のメリット

売り手側にとって、支払いサイトの短縮は事業運営の効率を向上させる重要な要素です。代金を早期に回収できれば、次の取引や設備投資、人件費の支払いなどに迅速に対応することができます。特に小規模事業者では、資金繰りの効率化がビジネス継続の生命線となるため、短い支払いサイトの設定は極めて有益です。

現金化による経営安定の重要性

現金化がスピーディーに進むことで、売り手は運転資金に余裕を持たせることができ、突発的な支出や不測の事態にも柔軟に対応可能となります。また、迅速な代金回収により、対外的な信用を向上させ、継続的かつ安定的な取引基盤を築くことができます。

必ずしも短ければ良いわけではない

ただし、支払いサイトが短いことが必ずしも最善とは限りません。長年取引を継続し、信頼関係を築いている企業同士では、支払いサイトをあえて長めに設定することで、請求業務や支払い業務の負担を軽減できることがあります。これにより、より多くの取引機会を創出し、取引先の状況に合わせた柔軟な対応が可能になります。

さらに、長めの支払いサイトを設定することで、有利な価格で取引を行える場合もあります。ただし、いったん契約を締結すると条件変更が困難になるため、支払いサイトを長く設定する場合には、自社の資金状況や取引先の信用力を十分に考慮した上で慎重に決定する必要があります。

契約の途中で支払いサイトの短縮を申し出ると、経営状態が悪化していると誤解され、取引に悪影響を及ぼす可能性があります。そのため、支払いサイトを経営戦略に取り入れる際は、取引先との信頼を損なわないよう計画的かつ慎重に進めることが重要です。

買い手の視点:支払いサイトは長いほど良い理由

資金繰りと事業拡大の観点からの利点

買い手にとって、長い支払いサイトは資金繰りを円滑にするだけでなく、成長戦略の一環としても重要な役割を果たします。例えば、大規模な仕入れを行う際に長めの支払いサイトを確保することで、仕入れた商品やサービスを活用して利益を上げた後に支払いが可能となります。この仕組みは事業の拡大や資金調達の効率化に大きく貢献します。

支払いタイミングを調整するための工夫

さらに、長めの支払いサイトは、資金の優先順位を柔軟に設定する余地を生み出します。他の投資活動や運転資金にリソースを割り当てることで、企業全体の財務戦略を効率的に進めることができます。特に新規事業や多角化戦略を展開する際には、この柔軟性が強みとなります。

支払いサイトを設定する際の注意点

信用管理とリスク回避

支払いサイトの設定では、取引先の信用力を十分に考慮することが必須です。長い支払いサイトを設定する場合、代金未払いのリスクが高まる可能性があるため、契約時に具体的な支払い条件や保証の取り決めを行うことが求められます。また、定期的に取引先の信用状況を確認することで、リスクを最小限に抑えることが可能です。

取引先との信頼関係の重要性

取引先との信頼関係を築くことは、支払いサイトを効果的に運用する上で欠かせない要素です。適切な支払いサイトを設定することで、双方にメリットのある取引関係を構築し、長期的なビジネスパートナーシップを維持することができます。信頼があればこそ、柔軟な条件変更や新たな取引の提案も円滑に進めることができるのです。

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支払いサイトに左右されない取引を行うためには?

売り手にとって支払いサイトは基本的に短いほどよいですが、諸々の事情によって長めに設定しなければいけない場合があります。そのケースでは商品納入やサービス提供から、代金支払いまでの期間が長くなるため、資金調達が遅くなりキャッシュフローが停滞することも考えられます。

こうしたケースにおいて、支払いサイトに左右されない取引を行うには①ファクタリング、②請求代行サービス、③業務用分割払いという3つの方法があります。

①ファクタリング

ファクタリングとは、サービス利用企業(売り手)が有する売掛債権をファクタリング会社が買い取り、その債権回収を行う金融サービスのことです。要するに、売り手はファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらい、それによって資金調達を行います。通常と異なる点は、取引先からではなくファクタリング会社から代金が支払われることと、取引金額から手数料が差し引かれることです。また、取引先によってはファクタリングを受け付けない場合もあるので注意しましょう。

②請求代行サービス

請求代行サービスとは、請求業務の一部または全部を代行会社に委託するものです。通常は請求業務を代行するだけですが、サービスによっては支払い期日までに入金が確認できなかった場合、代行会社がその代金を保証するというものもあります。大手企業のサービスを利用すると信用性も高くなるため、取引先がサービス利用を受諾しやすい傾向にあります。また、ファクタリングよりも少ない手数料で利用できるケースが多いため、調達する資金額をできるだけ多く残すことが可能です。

 関連資料  何が違う?請求書発行システムと請求代行サービス

③業務用分割払い

業務用分割払いは、購入者が加盟店から購入した業務用商品の代金を、代行業者が購入者に代わり加盟店へ一括立替払いし、商品到着後に立替払金を購入者より分割にて回収するサービスです。また、常に所有権が代行業者側にあるリースとは異なり、支払完済後は所有権が代行業者から購入者へ移行します。

 

各サービスはどれも一長一短がありますので、自社の取引環境に応じて選ぶことが大切です。

ファクタリングの主なメリットは、支払い期日に関係なく資金調達が行えることです。そのため、緊急的に資金が必要になったというケースで利用すると、経営難を逃れることができる可能性があります。ただし、ファクタリング会社によっては手数料が高額になるため、調達する資金が大幅に減額される可能性もあります。

請求代行サービスの主なメリットは、請求業務にかかわる負担を軽減しつつ、支払いサイトに左右されない取引を行えるという点です。効率化したリソースを他の業務に回すことで生産性を向上できますし、代金未払いなどのリスクが無く精神的負担も軽減します。ただし、サービスによっては利用条件が厳しい場合もあるので、サービスを利用できないという可能性もあります。

業務用分割払いの主なメリットは、購入者に代わり購入代金を一括で立替するので、計画的な資金運用が可能となり、代金回収に伴う事務負担やリスクが解消されます。また、購入者へ分割払いを勧めることで、月々の返済額を少額に抑えられるので、高額商品の販売が進めやすくなります。

それぞれのメリットとデメリットを理解した上で、自社にとって最適なサービスを選びましょう。

ヤマトクレジットファイナンスがお手伝いできること

なお、当社では「クロネコ早払い」というファクタリングサービス、「クロネコ掛け払い」という請求代行・債権保証サービスおよび、「ビジネスクレジット」という業務用分割払いをご提供しています。

クロネコ早払いは、貴社が所有している売掛債権(売掛金)を売却することで、請求書に記載された支払期日より前に資金化する「借りない資金調達」です。お取引先様への通知や同意、債権譲渡登記は原則不要なので、今後のビジネスに影響を与えることなく、簡単に資金調達が可能です。

クロネコ掛け払いは、請求書の作成・発送から入金確認・督促まで、すべて当社が代行するので、サービス利用者は請求業務に忙殺されることなく取引を完了させられます。また、たとえ支払い期日に取引先企業の入金が確認できなかったとしても、当社が代金を100%保証いたしますので、安心して事業に専念できます。

ビジネスクレジットは、業務用商品の購入時などに、当社が加盟店様へ代金を立替払いします。商品到着後に立替払金をお客様より分割にてお支払い頂くことにより、計画的な資金運用が可能となります。また厨房機器、LED照明、空調設備等の店舗・事務所設備、OA機器、環境関連商品、一部役務・消耗品など多種多様な業務用商品も取り扱っています。

この機会にクロネコ早払い、クロネコ掛け払い、ビジネスクレジットのご利用もぜひご検討ください。


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