急な支払いが発生した、銀行融資が難しい――そんなときに活用できるのが「ファクタリング」。保有している請求書(売掛債権)をファクタリング会社に売却し、支払期日前に資金を得る仕組みです。 この記事では、法人がファクタリングを利用する際に、一般的に必要となる書類と、ご契約前に押さえておきたいポイントと合わせて解説します。
ファクタリングの利用を検討する際、まず知っておきたいのが「資金化までの一連の流れ」です。書類を揃えた後、どのように申し込みが進み、いつ資金が入金されるのかを事前に理解しておくことで、スムーズな手続きを実現できます。ここでは、一般的なファクタリングの申し込みから資金化までの基本的な流れをご紹介します。
会社の財務書類や請求書など、申し込みに必要な書類を揃えます。
準備した書類をファクタリング会社にオンラインアップロードやメール、郵送などで提出します。
ファクタリング会社が書類内容を審査し、問題なければ契約書を取り交わします。オンライン契約も多く普及しています。
契約成立後、通常数営業日以内にファクタリング会社から資金が入金されます。
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ファクタリング会社は、債権の内容や取扱基準への適合を確認した上で契約を行うため、請求書の提出だけでは手続きは完了しません。
ここでは、代表的な必要書類をご紹介します。
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 決算書 (1~2期分) | 貸借対照表・損益計算書など。税務署の受付印があるもの、または電子申告の受付完了通知が必要です。 |
| 試算表や資金繰り表 | 最新の経営状況を把握するために提出を求められることがあります。 |
| 通帳コピーまたは入出金明細 | 銀行口座の直近数ヶ月分の入出金履歴を提出します(紙通帳やインターネットバンキング画面のコピーなど)。 |
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 請求書 | 金額・支払期日・取引先名等が明記されたもの。 |
| 取引契約書・発注書・納品書 | 請求書の裏付けとなる契約関係を示す書類として、あわせて提出を求められます。 |
| 書類名 | 内容 |
|---|---|
| 履歴事項全部証明書 (登記簿謄本) | 法務局で発行される、会社の登記情報を記載した書類。 |
| 印鑑証明書 | 契約で使用する実印が正式に登録されていることを示す証明書です。 |
| 代表者の本人確認書類 | 運転免許証、パスポート、マイナンバーカード等。会社代表者の本人確認に使用されます。 |
売掛先(取引先)の同意を得て進める3社間ファクタリングでは、取引先の同意書や通知書などが必要になる場合があります。対して、取引先に知られずに進める2社間ファクタリングではこの手続きは不要です。
以上が、ファクタリング申し込み時に一般的に求められる代表的な書類です。書類の内容が正確かつ最新であることが、審査通過やスムーズな契約につながります。
なお、必要となる書類や手続き方法はファクタリング会社ごとに多少異なる場合があるため、実際にはファクタリング会社からの案内に従って準備を進めてください。不備や不足があると手続きの遅延につながるため、事前の確認と丁寧な準備が重要です。
ファクタリング会社が重視するのは「請求書の金額」だけではありません。取引先が支払い能力を有しているか、実在する契約関係に基づいて発生した売掛債権か、過去に支払いの遅延や不履行がなかったかといった、「債権の信頼性と安全性」を細かく確認します。
また、ノンリコース契約では、万が一支払いが滞っても、利用者に返済義務がないため、ファクタリング会社がそのリスクをすべて負います。よって、契約前の審査では、信用リスクを最小限に抑えるための「裏付け書類」が重要です。
書類の準備と合わせて、契約そのものへの理解を深めておくことも、スムーズな資金調達には不可欠です。
ここでは、契約を結ぶ上で特に重要となるポイントを2つに絞って解説します。
| 形式 | 特徴 |
|---|---|
| 2社間ファクタリング | 利用者とファクタリング会社の2社のみで契約。取引先に知られずに資金調達が可能。 |
| 3社間ファクタリング | 利用者・ファクタリング会社・取引先の3者間で契約。取引先の同意や通知が必要。 |
| チェック項目 | 内容 |
|---|---|
| 入金額 | 手数料や費用を差し引いた後の実際の入金額を確認。 |
| 契約内容 | 回収リスクの有無、不利な条項(回収業務の押し付け等)がないかチェック。 |
| 資金化スピード | 申込から何日で資金が振り込まれるかを確認。資金繰りに直結します。 |
上記のポイントを押さえることで、単なる資金調達にとどまらず、納得感と安心感のあるファクタリング利用が可能になります。契約形態や条件をしっかり理解し、書類の準備とあわせて丁寧に確認を行うことで、後々のトラブル回避にもつながります。急ぎの資金ニーズがある時ほど、契約内容や条件を冷静に把握し、慎重に判断することが大切です。
ファクタリングの申し込みから資金化までのスピードは、手続き方法によって大きく変わります。特に「急ぎの資金調達」が必要な場合は、どの手段を選ぶかが結果を左右します。ここでは、オンライン完結型と従来型(対面・郵送)の違いを比較しながら、それぞれの特徴を整理します。
| 比較項目 | オンライン完結型 | 従来型(対面・郵送) |
|---|---|---|
| 書類提出 | データアップロード | 書類原本を郵送または持参 |
| 契約方法 | 電子契約 | 書面での押印・郵送 |
| スピード | 最短数営業日で入金可 | 最大で2週間かかることも |
| 特徴 | スマホ・PCで完結、迅速 | 安心感はあるが手間が多い |
オンライン型は、最短で申し込みから数営業日での入金が可能であり、日々の業務で多忙な事業者にとって大きなメリットとなります。一方、従来型は対面での説明が受けられる安心感があるものの、郵送のやり取りや面談調整などが必要なため、時間に余裕がある方向けと言えるでしょう。自社の状況に応じて、最適な方法を選ぶことが、無理のない資金調達への第一歩です。
ファクタリングをスムーズに利用するためには、次の2点が重要です:
資金調達をスムーズに進めるためには、事前に想定される書類を確認し、案内に沿って迅速に対応できる体制を整えておくことが重要です。
ヤマトグループが提供する「クロネコ早払い」は、オンライン完結型の2社間ファクタリングです。
ご利用の流れは以下の通りです:
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